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労災のお取り扱いについて

2021.01.22

お仕事中・通勤途上にお怪我をされた場合、
健康保険法第一章第一条により、健康保険での診療は認められないため
労災保険の適用となります。

当院は、保険医療機関・労災指定医療機関です。
法律に従い、労災隠しはいたしません。


労災保険は、雇用形態(正社員、パート、アルバイト)や雇用期間にかかわらず
「事業に使用され、賃金を支払われる者」であれば適用されるものです。

「職場に言いにくい」「労災にしたくない」お気持ちは理解できますので心苦しいのですが、
当院は法に則って医療を提供させていただかなくてはなりません。

「健康保険」か「労災保険」かを選ぶことはできません。

健康保険法第1条に
業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い…」とあり、
そもそも、業務(業務中・通勤途上)が原因で負った傷病には、健康保険は使用できません。

通勤途上の交通事故は、相手のある交通事故の場合、自賠責保険の選択があります。
詳しくは➡通勤途上の交通事故

すべてが、事業所の労災保険料に影響するわけではありません。

患者様は「勤務先に迷惑がかかる・・・」と思われる方も多いです。
ですが、労災保険の申請をして治療を受けるものすべてが勤務先に影響するわけではありません。

逆に、労災隠しをした場合、事業所が労働基準監督署から
司法処分などの厳正な対処をされることがあります。

かえって事業所の不利益になることもありますので、
事業者様におかれましては適正にご判断ください。

業務中・通勤途上にけがをしたら、すぐに職場にご報告ください。

傷病の程度によらず、また、労働者本人の不注意であっても、基本的に労災保険です。

業務災害にあったら、早めに職場の責任者に報告して状況を確認してもらい、
できれば、事前に医療機関にかかることを伝えておくことをお勧めします。

言いにくい…トラブルを避けたい…であれば尚のこと、ご来院前に職場へご報告を。

勤務先に労災用紙(様式)を作成してもらい、当院へご提出ください。

まず、地方公務員の方の業務上・通勤途上の災害(地方公務員災害補償法)については
当院は指定医療機関ではありませんので「様式6号」をご用意ください。

↓以下は、公務員以外の方(労働者災害補償保険法)向けのご案内です。↓

労災の給付を受けるにあたり、当院は労災保険指定医療機関ですので、事業所が発行する以下の労災用紙を、当院に提出していただく必要があります。

労災指定医療機関用の様式でご用意ください。

・業務上の傷病の場合【様式第5号】
・通勤途上の傷病の場合【様式第16号の3】
・業務上の傷病で、労災指定医療機関からの転院の場合【様式第6号】
・通勤途上の傷病で、労災指定医療機関から転院の場合【様式第16号の4】
・労災指定医療機関以外からの転院の場合【様式第5号】

なお、上記の書類は事業所様で用意していただくものです。
事業所、患者様本人それぞれ、記載が必要な事項がありますので、すべて記載していただいた上でご提出ください。

これにより、労働基準監督署から当院に、治療費のお支払いをいただけるものになります。
お早めにご提出くださいますようお願い申し上げます。

まだ労災用紙を発行してもらってない・・・お支払いはどうなるの?

当院では、患者様が職場にご報告確認済みの場合、上記の様式書類をまだご用意されていなくても
患者様の負担がないよう、初診から、治療費のお支払いは保留とさせていただいております。

その場合は、お早めに労災の様式書類をご提出いただけますようお願いいたします。

なお、勤務先に報告・確認しておられない場合は、上記の様式書類を持ってきていただけるまで自費とさせていただくことがあります。

労災保険の適用を判断するのは、労働基準監督署です。

被災労働者である患者様本人でも、会社でも、医療機関でもありません。

業務中に生じた症状が、すべて労災保険の適用となるとは限りません。
業務や通勤と、その症状に、因果関係を認めない判断を労働基準監督署がした場合は、労災の適用とならない(=健康保険を適用する)ことになります。

労災保険で手続きをしたが、労働基準監督署が労災の認定をしなかった場合は、後日、健康保険診療への切替手続きを当院の窓口でさせていたきます。

しかし、労災が適用されるような傷病にもかかわらず健康保険で受診された場合、
後日、保険者(保険組合、協会、市町村等)から患者様や事業所側へ、確認の問い合わせがあったり、
「負傷原因届」の提出が必要になる場合があります。

その内容によっては健康保険診療の適用外と判断され、労災への変更手続きをする必要があります。

こうなった場合、事業所も患者様も、通常とは違う手順によりお手続きに手間がかかり、
事業所は、労働基準監督署から厳正に対処される場合があります。

労災事故であるのに健康保険証を使用し、保険者から労災に切り替えるよう指示された場合。

まずは当院へご連絡いただきますようお願いいたします。
診療期間が1か月程度であれば、当院から保険請求を取り下げ、労災保険への切り替え手続きを致します。
この場合、窓口でお支払いいただいた自己負担金は当院から返金致しますので、労災用紙と一緒に領収書をご持参ください。

ただし、既に数ヶ月経っている場合などは、保険者から当院への支払いが済んでいる場合がありますので、内容によっては労災保険への切り替え手続きはお断りし、患者様ご自身で自己負担費用の請求手続きを行っていただきます。

その場合、一時的に保険者が支払った診療費(3割負担の場合は、残りの7割は保険者が支払っているため、その7割分の診療費)を患者様が一時的に保険者に支払いをする必要があります。
手続きも大変面倒ですので、業務上または通勤途上でのお怪我には、必ず労災保険の手続きを適切に行ていただきますようお願いいたします。

迷ったときは、事前に労働基準監督署に訊いてみる。

労災保険でいいのかどうか分からない場合もあると思いますが
「わからないから、多分違うから、健康保険で」というのはできません。

分からない場合は、勤務先を管轄する労働基準監督署に予めお問合せの上、判断を仰いで下さい。

通勤途上に交通事故に遭ったら

通勤途上の交通事故で、相手のある事故の場合は「自賠責保険」が優先適用されることが多いです。
職場に報告するとともに、自動車保険会社にご報告ください。

相手とのお話合いの上で、自賠責保険を適用される場合は保険会社の指示に従えば大丈夫です。

ただし、患者様本人の過失による事故である場合など、事故の内容によっては
保険会社から「健康保険を使用してください」と言われることがあります。

その場合は、そもそも通勤途上であることから、第三者行為の傷病届の手続きをしても
健康保険証は使用できませんので、労災保険を適用することになります。

労災であるものを労災でないことにはできません。

ご自身や勤務先の立場を案じ、労災保険の申請に消極的になってしまうお気持ち、わかりすぎます。
労災の申請に不安になる事業者様のお立場もわかります。

お気持ちは十分わかるのですが、医療機関の立場として、「なかったことに!」のお申し出はお受けすることができません。
当院はあくまでも、法に従うことしかできません。

事業所様におかれましても、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

投稿者:ヒロ整形クリニック

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